管理人やじざむらいが、気になるニュースをほぼ毎日更新で垂れ流してまいります。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
シーレーン防衛 膨張する中国に対抗せよ 3
 先日のエントリーで、これからの日本に必要な事として生命線といえるシーレーンを防衛する事が中国の膨張主義を食い止める道であると書きました。最も重要な位置づけとして『台湾』の存在に焦点を当てて紹介しましたが、今回は台湾から南に位置するフィリピン、ベトナム、マレーシア、シンガポール、インドネシアの重要性を考えると共に、各国との連携への道を探って行きたいと思います。

 まず、シンガポール、インドネシア以外のこれらの国に共通する中国との領土、領海問題について。南シナ海における領土問題を語る上で、パラセル諸島(中国名:西沙諸島)と、スプラトリー諸島(中国名:南沙諸島)が代表的な例と言えると思います。パラセル諸島は、中国、台湾、ベトナムの中間海域に位置し、当然、この3カ国が領有権を主張しており、現在も『係争中』です。もう一つのスプラトリー諸島は、パラセル諸島よりも南に位置し、中国、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイの6カ国が領有権を主張し、こちらも『係争中』となっています。

 この2つの諸島に共通しているのは、陸地部分の殆どが砂地で、人間が住める環境ではない事。ではなぜ、そのような人の住めない島を巡って各国は必死になって領有権を主張するのでしょうか。その理由として、以下をご覧下さい。

1、領海、あるいは排他的経済水域(EEZ)

2、ガス、油田などの海底資源、あるいは海洋資源

3、当該諸島確保によって周辺海域の支配権確立



 領海、EEZに関しては、70年代の後半に国連海洋法条約によって、それまで明確にされなかった領海の範囲と自由航行という対立する概念を折衷する形で沿岸国の資源獲得の権利と、物資の輸送や人の移動の自由を認める事になっています。当然、自国の沿岸部から遠いところに領土があれば(例:日本の沖ノ鳥島など)その分の海域の資源などの権利を持つ事が出来るため、無価値であった住めない島が、突然宝の山に変わったわけです。さらに、南シナ海、東シナ海には膨大な海底資源が眠っており、各国とも喉から手が出る程、欲しくてたまらない事に違いはありません。

 ここで問題になってくるのは、『係争中』であるにも関わらず、中国は70年代にパラセル諸島の支配を確立しており、ベトナムがいくら抗議しても頑として出て行きません。パラセル諸島に比べて係争当事国が多いスプラトリー諸島に関しても、中国は係争各国の中で『最も遠い』国であるにも拘らず、スプラトリー諸島全部の領有を主張し、88年にベトナム軍と衝突し、部分的ではありましたが排除に成功して橋頭堡を築きます。92年に領海法という『国内法』を制定した中国はさらに支配を強める意思を露にし、94年、フィリピンが領有を主張するEEZ内にあるミスチーフ環礁に『軍事建造物』を作り、着々と『既成事実』を作っていったのです。

 もちろん、この様な中国の動きに係争当事国も黙っておらず、散発的に銃撃戦が行われたり、対抗して軍事関連施設の建設などをしていますが、中国が軍拡して海軍の近代化を図る中、ベトナム、フィリピンなどは装備の老朽化も相まって軍事力は相対的に低下しており、今後中国の圧力に耐えられなくなる可能性は十分にあります。

 この様な状況に置かれた各国は、どこか中国に対抗してくれる国はないか?と周辺諸国を眺めます。一つありました。日本です。日本は大戦中にこれらの諸島を含む海域を支配していましたが、サンフランシスコ講和条約締結に伴って放棄しており、その後の日本の復興には『自由貿易』さえあれば良かった事を中国以外の国は良く知っています。領土的野心が無く、国益によって南シナ海の安全を確保する必要がある日本が中国に対抗するべく立ち上がってくれる事を彼らは願っています。

 対日感情の比較的良い台湾、マレーシア(一部華僑を除く)に比べて、フィリピン、ベトナムは対日感情が悪いんじゃないか?と、思われるかもしれませんが、最近では好転してきており、ベトナムは反米、反中と共に、反日も唱えていましたがそれも昔の話となり、フィリピンは大戦中に米国との激戦地になった事が原因で対日感情が悪かったのですが、最近では『時間』と共に薄れつつあります。日本を快く思わない理由の一つとして、一国平和主義を貫き、東、東南アジアの安全に積極的に関与してこなかったじゃないかという『積極的関与』を要求する声が多いことも見逃せません。

 中国や朝鮮半島とは違い、日本がこれらの国の権益を守るために軍事的に関与していったとしても、歓迎されないことはないでしょう。明らかに領土、領海的野心をむき出しにしている中国とは違い、日本はシーレーンの安全を確保する事が一番の目的なのですから。

 これらの国に東南アジア貿易の要であるシンガポール、膨大な資源を持つ大国インドネシアを加えた形での多国間安全保障体制を構築できれば、中国の膨張を食い止める事が出来ると考えられます。しかし、ここでも日本は中国に先んじられていると言わなければなりません。先日、日本の船がマラッカ海峡で海賊に襲われる事件があり、日本は『海上保安庁』の艦艇を派遣したり、マラッカ海峡周辺諸国のコーストガード組織の育成に協力し、共同訓練などをしていますが、これはあくまでも『海賊』対策に限定されています。一方で、中国は各国に海賊対策への協力を申し出ると共に、中国海軍の基地を建設する交渉も行っています。既に、インドネシアの島に潜水艦基地を建設したという情報もあり、中国が望むシーレーン構築は現在急ピッチで進んでいると見て間違いありません。

 東南アジア諸国が多国間安全保障体制を構築するために協議をすると、必ず中国が首を突っ込んでくる現実があるのに、日本は指をくわえてみているだけという情けない現状を打破しなければならないことは明白です。国内においては一刻も早く憲法を改正してこの海域に海上自衛隊が展開する道筋をつけ、膨張する中国を恐れるこれらの国に『日本ここにあり』をアピールし、過度に中国の膨張を容認する事の無いように勇気付けなければなりません。米国との連携を強化し、この海域の安全は『自由主義』陣営が担保する事を明確にすれば、膨張主義の中国を排除する事が可能だと考えます。

 現実的には、東南アジア諸国の経済を牛耳っているのは中国人である『華僑』ではないか。と言われるかもしれません。その通りですが、彼らは決して『全体主義の共産中国』を礼賛しているわけではありません。将来、中国が勢力を拡大し、共産中国に組み込まれるかもしれないという恐れは最近になって徐々に説得力を持ち始めています。どんな人間だって、弾圧と圧政は嫌です。中国の本質を各国に説き、『自由』か『独裁』どちらがいいのか問うだけで、連携出来る余地は十分あります。

 なぜそんなに中国を警戒するのか。それは、かの国が自由のない独裁国家だからです。将来、中国が民主化され、自由主義陣営となり、価値観を共有する事が出来れば、何も対抗しろ!とか排除しろ!と、言う必要はありません。私が言いたいのは、海外に打って出る前に、自国民を幸せにしろという事です。全体主義国家は人命を軽視しすぎる。そんな勢力が広がるなんて絶対に許せない。

 なんだか興奮してしまいましたが(笑)、中国と領土、領海問題を抱える各国との連携、特にスプラトリー諸島から中国の支配を排除する事によって、東シナ海から南シナ海を繋ぐシーレーンを確保でき、東南アジア貿易の要にして先進国家であるシンガポール、大国インドネシアを含めた多国間安全保障体制を構築することが出来れば、日本、各国の繁栄、自由を守る事が出来ると結論します。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。次回は『真珠の紐』と呼ばれる中国のシーレーン確保への戦略を紹介し、その橋頭堡として築かれたミャンマーの中国海軍基地の持つ意味を周辺諸国、アジアのもう1つの『地域大国』であるインドを含めて考えて行きたいと思います。



banner  
  ↑ ↑ ↑
この記事が気に入った方は『応援クリック』お願いします。
スポンサーサイト

テーマ:国際問題 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
許せません
TBありがとうございます

中華思想かなんだか知りませんが、
中国の横暴は決して肯定できるものではありません。
日本に対しても、日中平和友好条約を平気で破ってくる中国です。
このまま野放しにしていたら、
それこそ好き勝手にすることでしょう。
ですから仰るとおり、アジアの平和を維持する為に、
日本の役割は大きいと思います。
日本の持てるカードをすべて使用し、
中国の侵略を止める必要があると思います。
2005/10/28(金) 10:18:09 | URL | 刀舟 #cMnBD31A[ 編集]
米軍基地反対闘争を支持する中国
中国は日本にも、韓国にも、台湾にも、アメリカにも・・・世界中に工作員を潜入させると共に、中国の利益のために発言し行動してくれそうな人物に目を付けエサをやっていることは間違いありません。マスコミはそういう連中の発言を国民世論であるがごとく大々的に報道します。
中国の最大の狙いは極東の、そして世界の覇権を握ることです。その具体的戦略の第一は日本と米国の間を引き離し、米軍を日本から追い払うことであり、第二は日本に憲法9条を堅持させることです。そうすれば極東は中国のものです。
沖縄県民や県知事が米軍基地反対闘争を繰り広げ、できれば米軍基地がなくなってくれることは正に中国の狙いと合致するものであります。
2005/10/28(金) 12:28:12 | URL | 日本国民 #-[ 編集]
そんな中国にしてしまったのが
我国の経済界というのは皮肉です。
少し前まで人民服にチャリンコだったのに
戦争というのは金がなければ出来ません。
また逆にこれほど儲かることはありません。

アンチ中国の本に笑っていた私ですが
まさに世界の厄介者。
まともな国ではないと世に広めたいのに。
マスコミは[賞賛」特に地元は中国との貿易、観光誘致に非常に熱心です。
留学生もわんさか、人気の札幌らーめん共和国には
[為中国人仕事提供]の張り紙まであった。
チャイナタウン構想だの促進する市長といい、危機感なしのお花畑。

遠い海の向こうも深刻
入り込む細胞も深刻。
時々思います。日本人の敵は日本人だなって。
2005/10/28(金) 15:08:33 | URL | らんらん #-[ 編集]
>刀舟さん
中国は『国際法』または『国際常識』などは『屁』とも思ってませんね。困ったものです。

>日本国民さん
中国ご自慢の『人海戦術』ですね(笑)日本では留学生なんかを沢山受け入れてますが、大切な技術、情報を盗まれ放題です。スパイ防止法を早く成立させて欲しいですね。

>らんらんさん
世界の人々はソ連が崩壊した事で共産主義の脅威は無くなったと思っています。中国も市場経済を導入したことによって、本質が見えにくくなっていますが、彼らは我ら『自由民主主義国家』の敵『共産主義国家』です。政権の性格は何も変わっていないと見るべきで、警戒を解くのは愚かなことです。古臭いと思うかもしれませんが、イデオロギーにはイデオロギーで対抗するのが有効です。もう一度『自由民主』を強調することによって、彼らの異常性を認識しなおす必要が日本人にはあると思います。

2005/10/28(金) 17:38:42 | URL | 管理人 #hI3IiWgo[ 編集]
(分析的というよりも)建設的ご意見ですね。また、勉強させていただきました。
確かに、政府にはシーレーン問題についてシンガポール、フィリピン、ベトナム、インドネシアと共同歩調をとっていただきたいものです。
海上自衛隊の給油をこれら各国に依頼する(もちろん敢えて高い値段で買うわけですが)とかはできないんでしょうかね(自衛隊関連法規には詳しくないもので。。。)。
2005/10/28(金) 23:36:24 | URL | 真実一郎 #Ufm6CJy2[ 編集]
>真実一郎さん
す、すみません・・分析的でありたいとは思うのですが、つい脱線して最終的に意見表明みたいになってしまいます(汗)。

自衛隊の給油の件ですが、私も詳しく知らないので、ちょっと調べてみました。まず、調達の契約自体は日本国内で結ばれているのですが、調達先が『アラビア海沿岸国』に限定されているようです。これは純粋な国内調達よりも割高となっており、海自幹部も不満タラタラのようですね。
ただ、テロ特措法による活動地域の中に、『インド洋沿岸及び我が国領域からこれに至る地域にある経由地・積卸地』と、書かれていますので、シンガポールその他の東南アジア諸国からの調達も不可能ではないと思われますが、なんらかの利権がらみで柔軟に対応できないのでは?と、想像する以上の情報は探せませんでした。お役に立てず、すみません。
2005/10/29(土) 01:10:16 | URL | 管理人 #hI3IiWgo[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
「世界地図」の切り取り方―戦略思考ナビゲーション以下は、直ぐ上で紹介した藤井厳喜『「世界地図」の切り取り方』光文社を読んで思ったことです。この本を読み進めていくにつれて、砂鉄が磁石に引き寄せられて集まるように、これまで漠然と思ってきたことが頭の中でま....
2005/10/28(金) 10:04:29 | 言語学研究室日誌
私のBlogの特徴は、「中国崩壊」の可能性を洞察するエントリーが多いということだ。この件に関しては、おそらくトップクラスではないか。これまでにも言及したが、崩壊に至る要因は、もちろん多岐にわたる。が、中でも次の五つがポイントであろう。
2005/10/28(金) 10:08:49 | 依存症の独り言
孔泉スポークスマン(中国外務省)が27日、北京での記者会見で、 次のように述べています。   中国、侵略戦争への反省を実際行動に移すよう日本に要求   CRIより引用  孔泉スポークスマンはその際、「当面の中日関係には困難な状態が見られるが、その
2005/10/28(金) 10:19:29 | ☆独断雑記 XYZ
「国際関係論」は、学問として成立しているのか。なんとなく、一読後、そんな疑念がぬぐえませんでした。専門家。評論家。チンピラ・ジャーナリスト。市井の民。外交を語る人は、いたって多い。たいてい、メディアで報道された事実から議論を披露します。交渉事のシグナル..
2005/10/28(金) 13:45:27 | 書評日記  パペッティア通信
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。