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人権救済条例 マスコミ各社の反応を記録する
 先日、鳥取県議会において、人権擁護法案の『亜流』とも言うべき『人権救済条例』が賛成多数で可決されました。人権擁護法案の危険性についてはネット上で予てから指摘されており、性格の良く似たこの条例の運用に今後注目が集まると見られております。

 人権擁護法案がほとんどマスコミに取り上げられなかった中、『人権救済条例』については、マスコミ、法曹界などから激しい批判が噴出しています。理由については後述したいと思いますが、今回のエントリーでは近い将来国会へ提出されるであろう『人権擁護法案』の行方を見極める上でも、鳥取県で施行される条例についてのマスコミ各社の反応を備忘録的に保存しておきたいと思います。

 まず最初に条例の骨子をご覧下さい。(読売新聞から一部引用)

◆鳥取県人権救済条例骨子

▽人種差別、虐待、性的言動、ひぼう・中傷などを「人権侵害」とする。

▽知事が任命する5人の委員会を置く。委員は弁護士を含み、男女いずれも2人以上となるよう努める。

▽協力要請を受けた当事者は調査に協力しなければならない。正当な理由なく調査を拒んだ場合は5万円以下の過料とする。

▽捜査など、「公共の安全と秩序の維持」に支障を及ぼす恐れがあると行政機関の長が認めた場合は、協力要請を拒否できる。

▽結果に基づき、被害者に助言や関係機関の紹介、加害者には説示、啓発などを行う。犯罪に当たる場合は告発する。

▽重大な人権侵害が認められた場合、加害者に是正を勧告する。従わない場合は、公表できる。

報道や取材、その他、表現の自由を最大限に尊重し、妨げてはならない



 それでは、各社の反応をいくつか貼り付けます。(asahi.com から以下引用)

人権救済条例案を可決 鳥取県 氏名公表などに批判も

2005年10月12日12時15分

 鳥取県議会は12日の本会議で、全国初の「県人権侵害救済推進及び手続に関する条例案」を賛成多数で可決した。人権侵害の調査、救済にあたる第三者機関を設け、罰則や氏名公表などの権限を持たせる内容。県は06年6月1日の施行までに、規則や委員会事務局の構成などを詰める。

 条例案は県議38人中35人の連名で議員提案された。採決の結果、賛成は保守系や革新系会派を含め34人、反対2人、棄権1人。同条例は政府の人権擁護法案を参考にしており、国の動きを先取りする形だ。「市民生活に干渉しすぎる」「表現の自由を損なう恐れがある」「報道機関が除外されていない」などの批判が寄せられる中での条例成立となった。

 救済機関となる人権侵害救済推進委員会は知事の付属機関とされ、県公安委員会などと同様の独立性を持つ予定だ。正当な理由なく調査を拒んだ人権侵害の当事者には5万円以下の過料を科し、勧告に従わない場合は氏名・住所を公表できるなど、委員会の強制力は大きい。当事者は勧告と氏名・住所公表の際の2回、事前に弁明する権利はあるが、過料の際は抗弁の機会はない。

 こうした点について、鳥取県弁護士会は「氏名公表は社会的生命を奪いかねない。刑事罰以上の制裁なのに弁護人の選任もない」と批判。「委員会の委員に弁護士を推薦できるかどうか分からない」と、保留の態度を示している。

 また、条例では報道・表現の自由の尊重を定める一方、報道機関を適用対象から除外していない。「社会的信用を低下させる目的でのひぼう・中傷、私生活などの事実を公然と摘示する行為」を人権侵害と定義し、条文上は行為に公共性や真実性があるかどうかは問題とされないため、「批判記事などが該当する可能性もある」との懸念も出ている。

 行政機関が侵害の当事者になった場合の甘さも指摘されている

 県が04年12月に提案した最初の条例案は、適用対象に行政機関が含まれていないことなどが問題とされた。県議会での修正の過程で行政機関も対象に加わったが、「公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれのある時は、人権侵害の事実の有無を明らかにせずに協力を拒否できる」とする項目が入り、捜査機関などが調査を拒める余地を残した。

 批判が多く出ていることについて、条例案に賛成した県議の一人は「条例が完全でないのは分かっているが、運用しながら修正していけばいい」としている。



 次に読売新聞(yomiuri onlineから以下引用)

鳥取県人権救済条例に評価と懸念

 鳥取県議会が12日可決した県人権救済条例に対しては、「人権救済にきめ細かい判断が可能になる」と評価する意見がある一方、報道の自由に対する懸念の声なども出ている。国の人権擁護法案が廃案となり、宙に浮いた状況の中で、スタートする鳥取県の条例。その運用には厳しい目が注がれそうだ。

 「地方ごとに人権擁護機関を設ければ、きめ細かい的確な判断が下せるのではないか」。政府が人権擁護法案を国会に提出した後の2002年6月、鳥取県の片山善博知事が県議会でこう答弁してから、同県の制度導入の研究が始まった。

 03年10月の衆議院解散で同法案が廃案になった後も、研究は続き、昨年12月の県議会で、県が条例案を提案した。ところが、「委員会の独立性や公平性について、疑念がある」などと指摘が相次ぎ、県弁護士会も反対声明を出したことなどから、3度にわたって継続審議になってきた。

 今議会では自民、民主両党系の主要3会派が知事案を修正。公明党など3会派の同調も得て議員提案。提案者の1人の鉄永幸紀県議は「人権侵害の救済という重要案件であるため、法整備を待たず県独自の条例を制定したいという決意で議員提案した」と強調。反対した尾崎薫県議は「勧告に従わず、氏名を公表されると、社会的に抹殺される恐れがある」と話した。

 識者の評価も分かれる。

 服部孝章・立教大教授(メディア法)は「表現活動に関しては『報道または取材の自由を最大限尊重』という記載はあるが、県議や警察官への取材は『人権擁護』を盾に拒否されることも考えられ、問題だ」と危惧(きぐ)する。

 山崎公士・新潟大教授(国際人権法)は「国に先駆けた人権救済制度」と評価し、「多様な人材確保などに留意して委員を選び、委員会の独立性と公平性を高め、県民から信頼されることが重要」と語った。



 次は中日新聞(中日新聞HPから以下引用)

鳥取県で人権条例成立 恣意的運用懸念も

 人種差別など人権侵害からの救済や予防を掲げる鳥取県人権侵害救済条例が十二日、県議会で可決、成立した。

 都道府県が全般的な人権侵害救済を目的に独自の条例を制定するのは初めて。行政サイドの判断で“加害者”の氏名を公表、社会的制裁を加える内容だけに、県弁護士会などは恣意(しい)的な運用を懸念。採決に先立ち、片山善博知事は「どうしても最後まであいまいな表現が残る。運用を間違えれば人権侵害が起こるので、議会やマスコミがチェックしなければならない」と答弁した。

 政府が自民党などの異論を受け、先の通常国会などで提出を見送った「人権擁護法案」の呼び水になるとの指摘もあり、今後の国会審議に影響を与えそうだ。

 来年六月一日に施行され、二〇一〇年三月までの時限条例。人種差別や虐待、名誉や社会的信用を低下させるためのひぼう・中傷、セクハラなど八項目を禁止している。

 県は五人の非常勤委員で構成する委員会を設置。被害者の救済申し立てなどを受けて調査し、加害者に是正勧告などを行う。正当な理由なく従わない場合は、氏名などを公表する。

 加害者は正当な理由なく調査協力を拒むと、行政上の罰則(五万円以下の過料)が科される。ただし行政機関については、犯罪の予防、捜査などに支障があると当該機関のトップが判断すれば、協力を拒否できる。

 県弁護士会は「行政機関による人権侵害を引き起こす可能性が極めて高く違憲の恐れがある」と反対声明を発表した。

 <人権擁護法案> 差別や虐待など人権侵害行為に対応する専門機関「人権委員会」を法務省の外局として新設する法案。政府が2002年3月に国会に提出。人権委員会は被害者の相談に乗るなど「一般救済」に加え、調停・仲裁や訴訟援助など「特別救済」を行う。表現の自由や人権委の独立性をめぐり批判が強く、03年秋に廃案に。政府はメディア規制部分を凍結、先の通常国会提出を目指したが断念した。



 最後にしんぶん赤旗(しんぶん赤旗HPから以下引用)

鳥取県「人権条例」が成立
言論・表現の自由に介入 共産党は廃止要求

 鳥取県議会は十二日、県議会自民党、清風、信の三会派による議員発議で提案された「鳥取県人権侵害救済推進及び手続きに関する条例」(人権条例)を賛成多数で可決しました。

 今回の条例案は、政府が来年の通常国会に提出しようとしている「人権擁護法案」の内容を先取りする形で提案されました。

 県に人権侵害を調査する人権侵害救済推進委員会を設け、当事者が正当な理由なく協力を拒んだ場合、五万円以下の過料などの罰則や氏名の公表などの権限を持たせるとしています。

 作年十二月に県が提案したものの、県弁護士会などから「個人が令状もなく強制捜査される恐れがある、行政機関について抜け穴が多い」などの指摘があがっていたものに「行政機関による『人権侵害の禁止行為』に違反する行為を含む」と県原案を修正し、対案として出されたものです。

 日本共産党県委員会(小村勝洋委員長)は同条例が可決されたことについて、十二日、片山善博知事に対し、「同条例の廃止を含め発動しない措置をとること」を要請。そのなかで(1)行政機関による人権侵害が審査され、救済される保障がない(2)人権侵害救済推進委員会の行政機関からの独立性が不明 (3)何が差別か、差別的かの判断は微妙で裁判でも判断の分かれるところであり、しかも、県民の言論・表現の自由に介入することは重大な問題であることを指摘。来年六月の施行までに廃止を含め同条例が事実上発動しないための措置をとることを求めています。

 県弁護士会の松本光寿会長の話 鳥取県議会が本日、数々の問題点を含み憲法違反の恐れがある標記条例を賛成多数で可決成立させたことははなはだ遺憾であり、当会は今後同条例の改廃に向けて最大限の努力を傾注する予定である。



 産経新聞は、共同通信配信の記事が載っていました。内容は朝日新聞の記事とほぼ同じ。毎日新聞の記事は報道機関が除外されるのかどうかという片山知事へのインタビューを掲載していました。

 さて、各社とも批判的な記事になってます。これは、報道機関への同条例適応について、かなり曖昧な内容となっているためかと思われます。国会に提出される予定の『人権擁護法案』は、2003年提出時にマスコミへの適応を除外するという密約が成立したと言われており、公明党などが提出に意欲を見せていてもほとんど無視状態でした。

 報道機関はこの条例の修正案で報道機関を除外するという一文が追加されれば、以後無視するつもりなのかもしれません。言論の自由は報道機関にだけあるわけではない。しんぶん赤旗が言及しているように、『差別』という曖昧な概念で人を裁くのは難しく、裁判所での判断も決まった形があるわけではありません。

 法曹界からの批判についても、同条例によって人権侵害と認定、罰則を科す場合に行政側が介入する余地があるために反対している模様。独立的な組織による運営を求めているようですが、行政側が関与するなら恣意的な運用がなされて、独立した機関なら恣意的な運用がされないという保証など何処にもありません。結局、自分達の『利権』を寄越せ!という感じでしょうか。

 このマスコミ各社や法曹界その他の批判をしっかりと記憶して、人権擁護法案が提出される時にどういう対応をするのか監視していくと同時に、鳥取県民の方は気の毒ですが、この条例が成立したことによって起こる現象をこれから注意深くウォッチしていきたいと思います。



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 ※、マスコミ各社の反応については、今後追加していくかもしれません。


※追記: 今朝エントリーを下書き状態で保存したつもりだったのですが、こちらのミスで公開状態になっていました。先ほど加筆してアップしましたので宜しくお願いします。 (10月14日 14:58)


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テーマ:人権擁護法案 - ジャンル:政治・経済

コメント
この記事へのコメント
はじめまして。
こんな条例が次々と各自治体で可決されたらと思うと、不安でなりません。
当ブログでも関連記事を取り上げておりますのでよろしくどうぞ。

↓時事珍宝
http://diary.jp.aol.com/mfpgfqub3pe/
2005/10/14(金) 09:23:39 | URL | 小役人 #-[ 編集]
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人権救済条例案を可決 鳥取県 氏名公表などに批判も 鳥取県議会は12日の本会議で、全国初の「県人権侵害救済推進及び手続に関する条例案」を賛成多数で可決した。人権侵害の調査、救済にあたる第三者機関を設け、罰則や氏名公表などの権限を持たせる内容。県は06年6
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