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シーレーン防衛 膨張する中国に対抗せよ 2
 先日のエントリーにて、中国が東シナ海周辺で日本との衝突覚悟のガス田開発を展開する理由として、自前のエネルギー資源の確保はもちろんの事、現在米国が持つ太平洋地域、その周辺海域への覇権を狙う戦略で中国は動いている事を紹介しました。今回のエントリーでは、東シナ海ガス田問題の先にある、これからの日本の生きる道を模索したいと思います。

 現在、日本が必要とする原油の80%以上を中東からの輸入に頼っています。原油の輸送は海上ルートであり、アラビア海~インド洋~アンダマン海~マラッカ海峡~南シナ海~東シナ海というルート(以後シーレーン)を通って日本に入ってきます。資源の無い日本は原油の他にも沢山のエネルギー資源、食料などを輸入に頼っており、同時に貿易によって成り立っている日本経済を語る上でも、このシーレーンは重要で、特にマラッカ海峡周辺、以北は様々な物資が通る日本の生命線と言えます。

 大戦後、日本の求め続けた自由な資源調達と貿易が可能となり、それには米国が持つ軍事力を背景とした海洋覇権の傘下に同盟国としてあり続けた事が挙げられます。米国は冷戦終了後、並び立つ者のない超大国として君臨していますが、それに対抗する勢力は居ないのか?と、問われれば西洋におけるEU、ロシア、アジアからは中国、インドが『地域大国』として台頭してきています。現在、これらの国全てが手を結んで米国と戦ったとしても、勝てるかどうか分からない程米国の力は強いですが、驚異的なスピードで国力を増してきている中国は、将来の米国との対決を見越した大軍拡を続けており、何十年後かの世界は米中の二極構造が到来するという観測もあります。

 将来、中国が台頭する事を仮定して考えてみれば、中東~日本~米国までの海域を米国が支配している事実は中国にとって鬱陶しい事この上なく、天然資源が皆無に近い日本に比べて多少の資源を持つ中国でさえ、経済の急激な成長、ただでさえ膨大な人口の増加により資源確保は急務であり、米国の傘下に入ることは大国としてのプライドが許さない事から自前のエネルギーの確保、自らが主導する軍事力によって担保された物資が通るルートの開発を目論んでいると考えられます。

 このような動きは、可能ならば国家として当然取るべき戦略であり、その事に文句を言うつもりはありませんが、中国が確保しようとしているエネルギー源は日本周辺のガス田であり、物資の輸送ルートは日米の生命線ともいえるシーレーンと同一なのです。

 本来、国益と国益が激突する国際政治において、日本は米国の抑止力の傘下で安穏と暮らしてきました。『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して』というお題目を信じて生きてこられたのは日米同盟あってのものでしたが、米国の世界的な米軍再編の動きによって、これまで片務的であった日米同盟に日本の積極的な関与が求められる中、東アジアの安全保障に積極的に関与していくことは米国にとって負担の軽減に繋がり、日本にとっては米国への完全依存から脱却し、自主的な安全保障体制を構築するチャンスでもあります。

 海洋地域に打って出てくる中国を牽制することは日米共通の国益につながり、東アジア、東南アジア諸国に自由な貿易を保証していく意味でも日米が共同でシーレーン周辺海域の安全を担保していく事が望ましく、特に、中国の膨張主義を警戒する東南アジア諸国には歓迎されることになるでしょう。

 時代遅れの武力による恫喝で領土的、領海的覇権を確立しようとする中国は、自由な貿易を支持する世界各国の共通の敵であり、現在の体制によって利益を得ている各国は連合して中国にあたるべきだと考えます。

 それでは、先ず地理的に近い国々との関係を考えていきましょう。周辺海洋国家として最初に浮かぶのが台湾です。ご存知の通り、大戦終了までは日本の一地域であり、大戦後は常に中国の圧力を受け続けています。台湾は国共内戦に敗れた国民党が支配した時代を経て、台湾出身の本省人である李登輝総統の登場によって名実共に自由な民主主義国家として生まれ変わり、日本、米国と価値観を共有する国家です。

 李登輝氏が総統に就任してからの台湾は、独立を掲げてきましたが、最近では中国の経済成長によって、元々中国大陸出身の国民党を中心とする外省人は、故郷への憧憬もあってか中国にすりよる傾向が強く、国民党の幹部は北京詣でを繰り返しています。政治的な勢力も、総統には本省人である陳氏が就いていますが、国会での勢力は国民党が強く、軍事費が直近の数年間減少し続けるというパワーバランスを崩す事態に陥っており、このままだと共産中国に併呑されかねない状況です。

 中国が武力による統一を実行することになれば、台湾関係法という法律を持つ米国が黙っていませんが、平和的な統一という事になれば、『一つの中国』という建前を支持する米国、日本は阻止する事ができません。『平和的な統一なら良いじゃないか』という声が聞こえてきそうですが、台湾は国民党独裁による恐怖政治を克服し、自由な民主主義を自ら勝ち取った国です。中国は未だに共産党一党独裁による『非民主的』な政権が統治しており、台湾人の自由が踏みにじられる事は決して看過できない。

 自由民主主義国家にして、東アジアでは稀な『親日国家』である台湾が共産中国に擦り寄る背景には、『一つの中国』という建前を本気で守り続ける大国が隣にあるからです。そう、日本です。国際社会において一つの中国の立場を支持し、いかなる分離独立の動きも支持しないという表明をし続けてきた日本は台湾を無視し、米国のように『但し武力行使したら黙ってないぞ』というバイアスをかけず、中国、台湾に誤まったメッセージを送り続けてきました。

 『こんな事では日本は頼りにならない。香港でも住民が虐殺されるといった酷い事も起こってないし、大陸の経済も良くなってるから一国二制度ならいいかな?』という気持ちになってしまうのも当然です。これではいけない。台湾が一国二制度で納得しても、台湾に駐留する軍隊はどこの軍隊になりますか?共産党一党独裁を堅持し、台湾には当分の間ニ制度を保証すると言っても、どこまで信頼できるのか。もし、台湾の人々が『やっぱり独立した自由な社会が良い』といって運動を始めた場合、チベットや東トルキスタンで行われている弾圧が台湾に降りかからないという保証はありますか?そんな保証は無いし、香港の一国二制度は台湾を懐柔するための見せかけであるという観測の方が説得力があります。

 台湾は日本の生命線であるシーレーンの中でも重要な位置を占めており、中国に併呑される事態になれば、日本は中国に土下座して屈服するか、あるいは防衛上苦しい立場に置かれる事は間違いありません。このような事態を未然に防ぐ方法は、すぐ出来ることで言えば、国連での演説で、中国に対して米国が取っている立場を『完全に』支持する事を表明する事です。つまり、一つの中国という建前は持つが、武力による恫喝で併呑しようとすれば黙っていないというメッセージを明確にすることです。

 次に、以前国会で議論されて曖昧になってしまった『周辺事態』の定義に『台湾』を盛り込み、台湾有事の際は、日本が米国と共に対処することを明確にし、米軍の後方支援だけではなく、自衛隊も戦うという意思を表明すれば、日米と中国の間で揺れ動く台湾への強力なメッセージとして届き、共産中国と一緒になりたくない人達を応援することになります。

 『そんな事をすれば、中国の猛反発を受けてしまう!だからダメ』と思う人は少なからずいるでしょう。しかし、対中国の軍事的優位を保っている今しか出来ません。中国の強硬な反発を恐れ、事なかれ主義で先延ばす間に中国の海軍、空軍力は伸びてきます。力が均衡してから衝突する事態になれば、誰も望まない大規模な破壊を伴う恐れがあり、そうなってからでは遅いのです。

 以上のことから、台湾との関係強化は緊急に検討する必要があると考えます。自由な社会を支持する『同志』として、さらに、日本の生命線を死守するためにも台湾を引き止めなければなりません。

 次回以降、日本と同じく中国との領土、領海問題を抱えるフィリピンとベトナム、マラッカ海峡周辺のマレーシアとシンガポール、アジア海洋国家の雄インドネシアとの関係について考えて行きたいと思います。


関連エントリー: 東シナ海ガス田問題

 
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テーマ:外交 - ジャンル:政治・経済

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